(基礎知識)スマートフォンのシャッタースピードについて

写真撮影における「シャッタースピード」は、カメラが光を取り込む時間のことです。この時間が長いか短いかで、写真の明るさや、動きのある被写体がどう写るかが大きく変わってきます。スマートフォンのカメラにおけるシャッタースピードの意味と効果について、詳しく見ていきましょう。

シャッタースピードって何？

シャッタースピードは、カメラのシャッターが開いている時間、つまり光がイメージセンサーに当たる時間のことです。

シャッタースピードが速い（例：1/1000秒）

• シャッターがパッと一瞬で開いて閉じるので、光を取り込む時間が短くなります。
• 動いている被写体をピタッと止めて写すことができます。
• 取り込む光の量が少ないため、写真は暗くなりがちです。

シャッタースピードが遅い（例：1秒）

• シャッターがゆっくり開いて閉じるので、光を取り込む時間が長くなります。
• 動いている被写体がブレて写り、「動き」を表現できます（例：車の光跡、滝の流れ）。
• 取り込む光の量が多いので、写真は明るくなります。

スマートフォンのカメラとシャッタースピード

一眼レフカメラなどでは、シャッタースピードを自分で細かく設定できますが、スマートフォンのカメラは、基本的に自動でシャッタースピードを調整してくれます。これは、誰でも簡単にきれいな写真が撮れるようにするためです。

しかし、最近の高性能なスマートフォンには、「プロモード」や「マニュアルモード」といった機能が搭載されており、これらのモードを使うと、シャッタースピードを自分で設定できる機種も増えてきました。

スマホカメラのシャッタースピードが写真に与える影響

スマホカメラのシャッタースピードは、主に以下の2つの要素に影響を与えます。

写真の明るさ

• 暗い場所では、スマホは自動的にシャッタースピードを遅くして、より多くの光を取り込もうとします。これにより、写真が明るくなります。
• 明るい場所では、シャッタースピードを速くして、光を取り込みすぎないように調整します。

被写体の動きの表現

• 動きを止めたい場合: スポーツをしている人や走っているペットなど、動きの速い被写体を撮りたいときは、シャッタースピードを速くする必要があります。スマホが自動で速いシャッタースピードを選んでくれることが多いですが、もしブレてしまう場合は、明るい場所で撮る、フラッシュを使う、または「プロモード」でシャッタースピードを速く設定してみる、といった工夫が有効です。
• 動きを表現したい場合（ブレ）: 滝の水の流れを絹のように滑らかにしたり、夜景で車のライトの光跡を撮ったりしたい場合は、シャッタースピードを遅くする必要があります。この場合、手ブレを防ぐために三脚を使うことが非常に重要です。一部のスマホの「夜景モード」や「長時間露光モード」では、自動的にシャッタースピードを遅くして、動きのブレや光跡を表現してくれます。

スマホでシャッタースピードをコントロールするには

自動モード

ほとんどのシーンで、スマホは最適なシャッタースピードを自動で設定してくれます。

プロモード/マニュアルモード

• 多くの高性能スマホには、シャッタースピードを自分で設定できるモードがあります。このモードを使えば、意図的に動きを止めたり、ブレを表現したりできます。
• 通常、「S」または「Tv」と表示される設定がシャッタースピードです。

夜景モード/長時間露光モード

• これらのモードは、暗い場所でシャッタースピードを遅くして、明るくノイズの少ない写真を撮ったり、光の軌跡を写し込んだりするために設計されています。
• 手ブレ補正機能もどんどん進化しているので、手持ちでも少し長めに光を取り込む撮影ができるようになってきました。でも、もっともっときれいに撮りたいときは、やっぱり三脚を使うのがおすすめです。

明るい場所での調整

• 明るすぎる場所でシャッタースピードを遅くしたい場合（例えば、お昼の滝の水を絹のように撮りたいときなど）、NDフィルターという、サングラスみたいなアクセサリーをレンズに取り付けると、取り込む光の量を減らして、シャッタースピードをゆっくりにすることができますよ。

シャッタースピードのことを知って、その効果を意識するだけで、スマートフォンのカメラでも、もっともっとクリエイティブで素敵な写真が撮れるようになりますから、ぜひ色々試してみてくださいね！